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カフェと囲碁 ひだまり

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ひだまりでしかできない体験をプレゼントしたい

2022.04.17 sun
ひだまりについて
ひだまりでしかできない体験をプレゼントしたい

はじめましての方のそうでない方もこんにちは。
Mayuです。
4/17(日)の営業終わりにこちらのブログを書いています。

「ひだまりでしかできない体験を、お店に関わる方にプレゼントしたい」

約5年前ひだまりを作るときにそう決めた覚悟を忘れていました。
今日、あることをきっかけにそれを思い出しました。

今の今までずっと忘れていました。
私は基本的に前向きで元気なのですが、
気付かぬうちにコロナに心まで蝕まれて、希望を見失っていたのだと思います。

お店にお客さんがこなくなって
「前はいっぱいだったのにね」とか
「落ち着いたらまたもとに戻るよ」
と、いろんな意見をもらうようになりました。

確かにコロナウィルスの影響はないとは言えません。
それでもやっていけているお店はあるので、
自分に問題があり、能力がないということも重々承知しています。

そういう日々を繰り返していたら、
自分が志していた「ひだまりでしかできない体験」どころではなくなって、
自分のコントロールをすることが精いっぱいになりました。

出口の見えないトンネルにいるというのは、
きっとこういう状態なんだろうな…というのも何度も思いました。
そういうこともあり、現場から基本的には引退するという方向に行ったのですが…

今日起きたことは、私の中でとても大きな気付きでした。
それは、ハンガリーの友人が来てくれたことです。

2年間英語を一切話していないので不安に思い、
とある常連さんにその友人がくるまでいてほしいということを伝えました。
来店したあとは、色々と話をしたのですが、
帰るときにハンガリーのチョコレートをプレゼントしてくれました。

お土産をうけとったお客様をみたときに、
あ、私ってこれがやりたかったんだ。
と思い出しました。

普通のカフェでも普通の碁会所でもできないこと
つまり、ひだまりでしかできないことです。

ひだまりに来る外国人の方は、ほとんどが囲碁に興味がありません。
でもそこで囲碁を知りはまっていったり、
生活の一部になったり、
ひだまりで出会った友達と違う国で会うなんてこともありました。

このお店じゃなければそれって叶わなかったと思うんです。
なぜならば、ひだまりは私の夢を実現できる場所を形にしたからです。

私は5年前、囲碁のお店をやるために、DJとして海外にいくという夢をあきらめました。
なぜDJがしたかったかというと、
世界を飛び回り、いろんな国の人とかかわりたかったからです。

私の家は貧しかったので、留学には行けませんでした。
だから、行くならば自力でいくしかありませんでした。
しかし、アルバイトを必死でやるものの日常に流されて、
その夢からどんどん遠ざかっていきました。

それを叶えられる唯一のスキルがDJでした。

でも、家業を継ぐ決意をしたので、その夢をあきらめました。
そして囲碁の道を歩み始めました。

お店なんて作ったこともないし、
囲碁の事は何にもわかりませんでしたが、
日々一生懸命こつこつと目の前のことをやり続けました。

そしてとあるお客様がきっかけで、
「外国人の方に囲碁を教えてみてはどうかな?」
という提案通りにやってみると、
あれよあれよといううちに、「囲碁やりたい」という観光客があつまるお店になりました。

その時、「あ、この道でよかったな」そう思えました。
なぜならば、「世界の人とかかわる仕事がしたい」のであって、
その手段としてDJしかなかったということに気が付けたからです。

結果的に、自分のお店をもつことで、
その夢をかなえることに一歩近づくことができました。
そして、外国人のお客さんにも、もっと日本のいい部分や囲碁の楽しい部分、
自分がお勧めしたいものや料理など、伝えるために、毎日ラジオ英会話も始めました。

70代のお客様が、初めての一人旅に香港にでかけたり、
日ごろ英語を話せないお客様が、挨拶を英語でしたり、
90歳の方が、タイ語を40年ぶりに話したり…

ただ囲碁を打つだけではなく、
ひだまりでの体験が少しだけその人の人生を豊かにする瞬間がたくさんあることが
本当にうれしかったです。

外国人の方から見ても、
70代の日本人の方とかかわろうと思ったら、なかなか出会えないですよね。
また、スタッフに関しても、それだけ色んな国の価値観に触れられるところは
そうそうないと思います。

そんな矢先にやってきたのがコロナウィルスでした。
冒頭にも書きましたが、この2年間ですっかり、上に書いたような気持ちを忘れていました。

ですが、この2日間久しぶりに外国人の方とかかわってみて、
やっぱりこれがやりたいことだし、
英語も好きだし、
お客様にも日ごろ出会わない人と出会えたり、
会話をしたりできる空間をもっともっと作っていきたいと改めて思いました。

あるときは世界のひだまりなんて言ってくれる人もいました。
でも今はそれとは程遠い場所に来てしまいました。

ですが、これもいつか終わること。
そう信じて、自分にできることをやっていきたいと思います。

まずはラジオ英会話から再び始動します。

初心忘れるべからず。
「ひだまりでしかできない体験をプレゼントする」
常にその気持ちをもって志事をする店づくりをしていきます。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さまとお会いできる日を心待ちにしております。

Mayu