囲碁好きが地獄谷温泉に絶対に行くべき4つの理由とは?
初めましての方もそうでない方もこんにちは。Mayuです。
先日お休みをいただき、長野県にある地獄谷温泉に行ってきました。
9月に、地獄谷温泉後楽館の女将さんにお越しいただき、初めてその場所のことを知りました。
この旅館は、「新布石発祥の地」と言われています。
1933年に木谷實先生と呉清源先生が新布石を研究するために滞在した宿だからです。
実際にいまだに「新布石の間」は残っており、私も滞在することができました。
後楽館は木谷實先生と美春夫人が出会った場所でもあります。
木谷道場の原点に当たるという事で、
囲碁経験ゼロだった女将さんが覚悟を決め、
2017年9月24日に新布石・木谷道場ギャラリー(お猿の国の碁会所)を立ち上げました。
ひだまりに女将さんがいらっしゃったときは、
あまり時間がなく、たくさん話せなかったのですが、
その短い時間でも共通点を見つけることができ、親しみを持ちました。
・お互いに2017年にオープンしたこと(囲碁のギャラリーはその年にできた)
・囲碁経験ゼロで囲碁に関する場所を立ち上げたこと
・囲碁を日本の文化として外国人観光客に発信している
それだけでも、私を長野に向かわせるには十分な理由。
すぐに休みをとって予約をし、約1か月半をわくわくしながら過ごしました。
地獄谷温泉は長野駅から長野電鉄のバスにゆられること、約1時間。
そこから歩いて約30分の山奥にあります。
かつてこのような場所に行ったことがなかったので前日は眠れないくらい楽しみでした。
長野駅についてバスに乗ると、
私以外の乗客は欧米人ばかり。
行く先である:スノーモンキーパーク(猿の温泉がある公苑)は観光地のようで、
その話がちらほらと聞こえてきました。
1時間ほどバスに乗って、ようやく到着。
バスを降りると、そこには澄んだ空気が私を出迎えてくれました。
少し上ると上林温泉というエリアにでて、そこからさらに山道をすすみます。
30分ほど歩いてようやく道が開けてきました。
荷物が重いので先に旅館へ。
女将さんと一か月ぶりの再会!
女将さんと大将が笑顔で出迎えてくれました。
早速荷物を置きにお部屋へ。
暗くなる前に地獄谷温泉野猿公苑を観にいきました。
確かに猿がたくさんいて、観光の外国人が写真を撮る姿が見えました。
普通に足元を通りすぎていくので、どきどき。
この場所がができたのも、後楽館の先代の女将さんがきっかけだったとのこと。
「1957年、当時スキー場開発で山を追いやられた猿が里では猿害となっていました。3代目の当主の妻:しかがよく言っていた猿の話(1901年ごろより、猿が湯溜まり辺りから帰るのを見る)等から、猿の餌付けを山奥の後楽館で本格的に試みていました。数年後の1961年、6代目の喜久子がなげたりんごが露天風呂に転がり、それを見ていた子ザルがりんごをおいかけて露天風呂に入ったのです。
今日では、1964年開苑の長野電鉄 地獄谷野猿公苑がスノーモンキーとして有名ですが、温泉猿の歴史はもっと古いのです。」 出典:碁ワールド 2018年10月号
公苑を満喫したあとは、
後楽館に戻って温泉とギャラリーを堪能。
露天風呂は混浴と女性だけがあり、猿が入りにくるかもと思って混浴へ。
あいにくお猿はいませんでしたが、熱めのお湯で体の芯からあたたまり、リラックス。
※混浴に入りたい方は、水着をお忘れなく!!
お風呂のあとは、おかみさんの案内でギャラリーへ。
写真撮影はNGだったので写真はありません。
ホームページから雰囲気を感じられると思います。
木谷道場ギャラリー
その後、夕食となりますが、山の幸たっぷりの、体にいいお食事をいただきました。
外は真っ暗でしたが、川の流れる音、木の葉のすれる音、
普段機械の音に囲まれているけれど、
自然、そして食事そのものを楽しむことができました。
お食事のあとは、また温泉に入りリラックス。
その後、女将さんと待ちに待った対局。
女将さんはいつも対局相手が強いため、置き碁かつ終局までいかないとのこと。
それではと、今回は逆コミ30目を提案して対局開始。(私:2級 女将さん:9級)
せっかく新布石発祥の地なのに、布石を打たないのはもったいないと思ったからです。
対局しながら自家製梅酒をいただき、ほろ酔い。
いままで温泉で囲碁というのは未経験でしたが、いいものですね。
結果は、、、女将さんが数目勝ちでした!
私も経営を継いだ時は、囲碁って何?状態だったので、
来てくれたお客さまと常に置き碁でしか打つことができないつらさは、痛いほどわかります。
対局後に女将さんとゆっくり話す時間が出来たのが、今回の旅で一番よかったです。
どういう想いで経営しているのか。
この先どうしていきたいのか。
私はひだまりを100年企業にしたい。そういう想いをもってお店を経営していることを伝えました。
女将さんは、100年以上続く旅館の7代目。
アメリカに留学した経験もあったけれど、旅館に嫁ぐ覚悟を決めて約30年。
時代が変わりゆくなかで、家業を継いでいくということがどれだけ大変か。
しかし、囲碁を通じて色々な国の方と出会えて本当に楽しい。
そんな想いを共有してくれました。
ひだまりは2年間で400名40か国以上の外国人の方にお越しいただいていますが、
女将さんは2年間で800名60か国以上の方に囲碁を教えています。
女将さんの素晴らしいところは、自分の棋力で、できる限りのことをしているところです。
級位者だから教えてはいけないなんてルールはありませんが、
棋力が強くないと間違っていることを教えていないか?と不安になることがあります。
しかし、女将さんはどう楽しんでもらえるか?に重きを置き、
高段者の方が教えようとしてきても、女将さんが最後まで観光客の方に囲碁を教えるそうです。
リフレッシュだったり、女将さんと囲碁をうつことだったり、
食事だったり、楽しみにしていたことはたくさんありましたが、
そこに居る「人」が最終的には一番想い出に残るし、また行こうと思うきっかけになりますね。
女将さんと話したあとは、
大将と、ボランティアにきていたハンガリー人の方と、キッチンで談話。
きのこの話だったり、土地の話だったり、
普段できない話ができていい時間を過ごすことができました。
囲碁好きな人は絶対に行ってほしい。4つの理由。
それは、
1.集中した環境の中で対局できる
2.自然からとれた、体に良くておいしいご飯を食べることができる
3.熱い温泉に入って、身も心もリフレッシュした状態で囲碁が打てる
4.囲碁の歴史を感じることができる
旅のいいところは予想外のことが起きて、
出会いがあるところですね。
興味がある方は、ぜひ行ってみてくださいね。
女将さん、お世話になりました。また必ず伺います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さまとお会いできる日を心待ちにしております。
Mayu