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カフェと囲碁 ひだまり

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2021年のひだまりについて思うこと

2021.01.03 sun
ひだまりについて
2021年のひだまりについて思うこと

はじめましての方もそうでない方もこんにちは。
Mayuです。

囲碁を全く打てない状況で約5年前に家業を継いで5年。
こんなに考えた年末年始を過ごしたのは初めてです。

コロナウィルスによる打撃は、100年企業という目標を打ち砕くには十分すぎました。
正直、このまま続けていけるのか、全くわかりません。
不安を抱えながら正月を迎え、
この数日間は本を読み、想いを書き、どこに向かっていけばいいのか?ずっと考えていました。

本を読んだり、Youtube見たりして、
囲碁を生業とする者として、この1年どう過ごせばいいのか、
自分なりに書き留めておくことにしました。

1.魅力的な人になる

魅力的でない人がやっているものには興味を持たれない。
囲碁をやっている私自身が魅力的な人である方がいい。

結局、ひだまりは「Mayuの作品」であり、私自身が魅力的でなければ、お店に魅力を感じてもらうのも難しいと気が付いた。
内装だって誰でもない私が選び、お店にある碁盤テーブルも私がデザインしたもの。サービスも、衛生面も、全ては私が手掛けた作品。

作品の生みの親である私が、魅力的かつ自信をもっていなければ、
そこで応援してくれるファンのみなさまを裏切ることになる。
この一年、自分が圧倒される自分でいることに意識して発言、行動する。

2.囲碁の魅力を発信する

囲碁の実況中継や、囲碁についての解説、囲碁の入門などを発信している人はたくさんいるものの、「囲碁の魅力」を発信している人はほとんどいない。

世の中には2種類のひとしかいない
A.囲碁に興味がある人
B.囲碁に興味がない人

私がアプローチするべき人たちはBの「囲碁に興味がない人たち」である。
なぜかというと、今までの囲碁業界というものは、「そもそも囲碁に興味がある人たち」に向けたサービスを作ってきたため、市場が小さくなってしまったからである。

ヒカルの碁が大ブームとなったのは、まんがやアニメをきっかけに「囲碁に興味がなかった人」が「囲碁に興味を持った人」になったから。
ただそれだけの話。

それだってもう20年も前の話。それでもいまだに「ヒカルの碁を久しぶりに見て始めたいと思いました」という人があとを絶たない。

それ以降ブームは来ていない。しかし、そこに目をそらしてはいけないと思う。

言い訳はたくさんあるし、聞いてきた。
碁会所にいくメリットがない。
わざわざ碁会所まで足を運び、席料をはらい、同じレベルの人がくるのを待つ。

かたやネットは、お金を払うことなく、待ち時間もなく、いつでもどこでも同じようなレベルの人と対局することができる。

だから碁会所は需要が減り、継ぎたい人も少なく、
2020年にはたくさんのお店が閉店していった。

しかし、未だかつて囲碁の魅力をやらない人たちに向けて発信した人はいたのか?Appleは、製品そのものでなく、i phoneを使うことで得られる豊かな生活を演出した。同じようなことをした囲碁業界の人間はいたのか?

いないからこそ今年は本気で取り組む。

3.なぜそこまで店にこだわり続けてるのか?

ネットでは得られない価値がそこにはあるから。
その一言でしかない。

ひだまりに来ている常連さんは皆、
囲碁を通じて一生の友人と出会えた人が多いと言い切ることができる。

間近でそういうお客さまをたくさん見て来た。
ひだまりの後に飲みに行く、年末年始を一緒に過ごす、
海外に一緒に行く。
どれもリアルに碁会所を経営している人たちだったら、必ずそういうシーンに立ち会っていることでしょう。

ひだまりがネットだけの店舗だったら、
世界中のひとから愛されなかった。

OLだった私が、私財をほぼ投じて作ったお店だからこそ、その本気度を感じ取ってくれた人たちがきてくれるようになったと思っている。

お店は出会いの場所。
あなたがひだまりに来て、自分の世界を広げたいと思ったら、
あなたの世界を広げる自信がある。
(ただだまって座っていられても広げられませんが、、)

出会いがなくなれば、世の中に生まれるものも少なくなる。
だから、全力でお店を維持することを考え続ける。

ちなみに、先月中ごろまでは辞めた方がいいのかも、というせめぎ合いをひたすら脳内で続けていた。弱いなーわたし。

4.囲碁のマーケットを広げることに注力する

お店は現在正直なところ思うようにうまくいっていない。
コロナの影響も大きいけれど、圧倒的に行動量が足りていなかった結果である。

そりゃそうだ。「囲碁カフェ」と聞いて私自身行きづらいな~と思うから。
それを打破するための行動を普通のカフェ以上に積み重ねなければならなかった。わかりずらい商売だからこそ、魅力的なメニューを考えるだけでなく、こうしてブログを書く、SNSで発信する、Youtubeを継続して続けることが必要だった。
(それでもお正月からカフェのお客さまがたくさん来てくれて、
認知されれば利用してくれるお客さまもいるんだなということがわかって嬉しい限り)。

囲碁のマーケット自体もめちゃくちゃ小さいし、
その小さいマーケットでお客さんをシェアしているのだから、
カフェ経営も囲碁経験もない元OLの私が勝ちに行くのは、超無謀だと思う。
どう考えたって家賃を払うのは大変だし、
家賃を払わなくていい人たちに勝つのは超難しい。

だから、その競争からはもう降りることにする。
これからは囲碁のなかで競うのではなく、囲碁をエンターテイメントの一つとしてとらえて、マーケットを広げることに注力する。
そもそも囲碁に興味をもつ人が増えない限り、お店がよくなっていくことも難しい。

以前友人が教えてくれた武井壮の動画が心に刺さった。

24歳で十種競技のチャンピオンになった。
しかしマイナーなものを選んだことにより、ちっとも評価されなかった。
しかし十種競技を選んだことをだめだと思いたくなかった。
世の中には人に見られるものばかりではない。ニッチなものだってある。
だから十種競技を変える必要はなく、自分の力、努力、言葉、発信でそれを楽しんでくれる人を増やそうと思った

囲碁だってそう。
世の中には頭を使わなくても見ることができるもの、
やれるものがたくさん溢れるようになった。
では囲碁は最終的になくなるんですか?というと、そんなことは絶対にない。

誰が残していくのか?
囲碁をやらない人に向けて発信できる一般人って私だけなんじゃないの?
誰も挑戦したことない事にやるんじゃないの?

そんなのできるのかな。
なにか達成したことと言えば、昨年挑戦したフルマラソンくらい。
あとはこれっていう結果はなにも残していない。
誰かにぽろっとそんな話したら、「立派な店を作ったじゃない!」と言われたことがある。

しかし、「作る」のは誰にだってできる。
お金がないなら借りればいい。
私だけができるものでもない。

お店を続けるのか辞めるのか、
クラウドファンディングやっちゃったからやめられないよな~とか、
昨年そればっかり考えていた弱い私ができるの?とも思う。

でも家族も囲碁業界に支えられてきちゃったし、
私も囲碁によって世界中にお友達ができたし、
日本に行ける日までお店あけておいてよ!と応援してくれる地球の裏側に住んでるもいるので、
今年1年囲碁をエンターテイメントにできるように頑張ってみよう。

なので、この1年は現場に出る日は少なくして、
色々飛びまわったりするかと思いますが温かい目で見守って頂けたら幸いです。